でんぷんとは、植物が空気中の二酸化炭素と水から太陽の光のエネルギーをかりて作り出す(これを光合成(こうごうせい)といいます)物質のこと。炭素(たんそ)と水素(すいそ)と酸素(さんそ)からできているよ。 実は、砂糖も同じものからできていて、ブドウ糖という砂糖の仲間がたくさん集まってできたものをでんぷんというんだよ。
タピオカでんぷんとは、トウダイグサ科のキャッサバの根茎(こんけい)から作られるでんぷんだよ。
長さ約30cm程に切った茎を畑に突き刺すだけで繁殖(はんしょく)し、約1年で収穫できるんだよ。主に熱帯域(特に東南アジア)で栽培されているんだ。
デザートでプチプチした透明の丸いもの、これもタピオカ。(タピオカパールともいいます)
タピオカでんぷんはモチモチしていて、透明でとてもキレイなので、主にわらびもちなどに使われているんだ。
タピオカでんぷんを顕微鏡(400倍)でみた時の写真です。お寺の鐘(かね)の形をしているのが特徴なんだ。
これは東南アジアでよく飲まれているデザートジュースでミルクティーの中に黒いタピオカパールが入っているよ。関西では神戸元町にある中華街、関東では横浜中華街などでおなじみだね。
サゴでんぷんとは、サゴやしといって、ヤシ科の植物から出来ているでんぷんだよ。
幹の直径は約70cm〜80cmで、高さは15〜20メートルにもなるんだよ。
主に東南アジアを中心に栽培されているんだ。
サゴでんぷんは、木の幹に1本当たり200〜400kgをこえるたくさんのでんぷんがたくわえられているんだよ。
また、このサゴヤシは10年もかけて、でんぷんをたくわえていくんだ。
サゴでんぷんを顕微鏡(400倍)でみた時の写真です。細長い釣鐘型(つりがねがた)で、てんとう虫のような形が特徴だよ。
うどん屋さんでよく見かける、生うどんに白い粉がついているよね?それが、うち粉なんだ。うち粉には、サゴでんぷんが使われていることが多いよ。これは、「うどん」と「うどん」がくっつかないようにふられているんだ。
馬鈴薯(ばれいしょ)でんぷんとは、みんなもよく知っているじゃがいもからとれるでんぷんだよ。 じゃがいもは土の中に出来るけど、実は根じゃなくて茎っていうことは知ってるかな? 南アメリカがふるさとだって言われているけど、今では世界の様々な地域で栽培されているよ。 日本には1600年ごろにオランダ人がジャカルタから持ってきたから「ジャガイモ」って呼ばれるようになったんだ。同じころ中国にも伝わって、形が馬の首につける鈴に似ていたことから馬鈴薯とも呼ばれるようになったんだ。
馬鈴薯でんぷんを顕微鏡(400倍)でみた時の写真です。 だ円形で表面が層(そう)のようになっているのがわかるね。
馬鈴薯でんぷんはかまぼこにも使われていて、弾力(だんりょく)を良くする効果があるよ。また、餃子(ぎょうざ)の皮のうち粉にも使われているし、大福の表面についているきらきらした粉も馬鈴薯でんぷんなんだ。
「コーンスターチ」というのはとうもろこしのでんぷんという意味だよ。 とうもろこしの歴史は古く、1万年も前に栽培されていたと言われているんだ。 ずっと昔から食料として利用してきて、その長い歴史の中でスイートコーン、デントコーン、ワキシーコーンなどたくさんの品種が作られてきたんだ。その中でもワキシーコーンは別名モチトウモロコシと呼ばれて、加熱するとでんぷんのねばりが出て、モチモチとした食感になるんだ。
コーンスターチとワキシーコーンスターチを顕微鏡(400倍)で見た時の写真です。 角ばった小さな粒をしているのがよくわかるね。
コーンスターチはプリンなどの凝固剤(ぎょうこざい:固める材料)としても使われているし、食品以外でもアルコールの原料や「のり」にも使われているよ。
「小麦でんぷん」は小麦からとれるでんぷんだよ。
小麦は世界一生産量の多い穀物(こくもつ)で、米、とうもろこしとならんで「世界三大穀物」と呼ばれているよ。
「小麦でんぷん」は別名「浮き粉」とも呼ばれるんだ。
小麦は製粉されて小麦粉として売られているのはみんなも知っているね。 小麦粉に水を加えて生地にした後、水の中で洗ってあげると小麦でんぷんとグルテンに分けることができるよ。小麦でんぷんはかまぼこやお菓子に、グルテンはパンや麺にと、さまざまな食品に使われているんだ。みんなも小麦粉から小麦でんぷん、グルテンを作ってみてね。
小麦でんぷんを顕微鏡(400倍)でみた時の写真です。だ円形で大粒子と小粒子があるのが特徴だよ。大粒子と小粒子を分けることでそれぞれの特徴をうまく使うことが出来るよ。
名古屋のお土産として有名な「ういろう」にも小麦でんぷんが使われているよ。また意外なところでは、小麦でんぷんを「のり」にして寝かせたものを「古糊(ふるのり)」と言って、掛け軸や絵画の修復に使われているんだ。
今回取り上げるのは「甘藷(かんしょ)でんぷん」。漢字がちょっと難しいけど、「藷」という字は「イモ」という意味なんだ。つまり甘いイモ、サツマイモから取れるでんぷんなんだよ。サツマイモの起源は南アメリカ大陸と言われていて、日本には中国を経て沖縄から鹿児島へと伝わったんだ。本州では薩摩(さつま:鹿児島)から伝わったイモだから「サツマイモ」と呼ばれているけど、鹿児島や沖縄では唐(とう:昔の中国)から伝わったイモということで「唐芋(からいも)」、九州北部では琉球(りゅうきゅう:沖縄)から伝わったイモということで「琉球イモ」とも呼ばれているよ。
甘藷でんぷんを顕微鏡(400倍)でみた時の写真です。角ばったものや、釣鐘(つりがね)の形をしたものがあるのが特徴だよ。
和菓子としておなじみのわらびもちにも甘藷でんぷんが使われているよ。
米でんぷんはお米からとれるでんぷんだよ。 もち米からとれるでんぷんは白玉粉と言って大福やだんごなどたくさんの和菓子に使われているよ。今回はみんなもよく知っている日本人の主食のお米(ご飯)からとれるでんぷんを紹介(しょうかい)するよ。稲作(いなさく)は、古くは弥生時代から行われているけど、米でんぷんの製造(せいぞう)が国内で始まったのは昭和に入ってからなんだ。原料の玄米(げんまい)を精白(せいはく)し、タンパク質を取りのぞいて製造されているよ。取りのぞいたタンパク質は、飼料(しりょう)にすることもできるんだ。
米でんぷんを顕微鏡(400倍)で見た時の写真です。 細かくて角ばった粒(つぶ)が集まっているね。米でんぷんはでんぷんの中では最も小さな粒子(りゅうし)なんだ。
お弁当のおかずでおなじみの卵焼きにも米でんぷんが使われているよ。 米でんぷんのおかげで卵焼きがふっくらするんだ。 食品以外でも印画紙(いんがし)や化粧品(けしょうひん)にも使われているよ。 小さな米でんぷんの粒子は凸凹(でこぼこ)した面にくっついて、平らでなめらかな面をつくることができて、きれいに文字が印刷(いんさつ)できたり、化粧の仕上がりをよくしたりするんだ。
いままで紹介(しょうかい)してきたでんぷんは、そのままでは冷たい水には溶けないんだ。そこで、より簡単にでんぷんを利用するために、加工をほどこして冷たい水に溶けるようにしたものが登場したんだ。でんぷんに水を加えて加熱すると、透明(とうめい)または半透明で粘度(ねんど)のある糊(のり)の状態に変化するんだ。糊の状態のでんぷんを、すばやく乾燥(かんそう)して粉砕(ふんさい)したものをアルファ化でんぷんというよ。アルファ化でんぷんは、冷たい水に溶けて加熱をしなくても糊(のり)の状態になるんだよ。このような性質をいかして、さまざまな食品や工業製品に利用されているんだ。
アルファ化でんぷん(粉末)を顕微鏡(けんびきょう)100倍で見た時の写真だよ。 (アルコールを使って撮影(さつえい)。)
アルファ化でんぷんはパンやケーキミックス、バッターミックスなどに使われることがあるんだ。 (バッター液の説明については、第九回「とんかつ」についてのページを見てね。)
植物からとったでんぷんはいろいろな食品に使われているけど、熱をかけて混ぜていると粘りがなくなってきたり、冷蔵や冷凍するとかたくなっておいしくなくなったりすることもあるんだ。そんな欠点をカバーしたり、食品をよりおいしくするために加工をするんだよ。加工には熱をかけてアルファ化させたり油をくっつけたりする物理的(ぶつりてき)処理や、化学的にでんぷんの構造(こうぞう)を変える化学的処理など、いろんな加工方法があるんだ。以前に紹介したアルファ化でんぷんも加工でんぷんの仲間なんだよ。こうして加工することによって、でんぷんは構造や性質が変化して熱に強くなったり冷蔵や冷凍してもかたくなりにくくなったりするんだ。
でんぷんに加工をすることで色々な機能が追加されることは前回説明したね。 今回は、身近な食品によく使われている加工でんぷんの性質について説明するよ。
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